タイミング治療・人工授精|北くまもと井上産婦人科医院 リプロダクション部門|熊本市北区にある不妊治療専門外来
排卵日を超音波検査で予測し、性交渉する日にちを指示する治療です。
卵管が開通しており、男性側に問題がない場合に行います。過去のDavid Bらによると排卵前2日にタイミングをとると妊娠しやすいと報告されています。
人工授精とは、排卵期に子宮内にパートナーの精子を洗浄・濃縮した上で直接注入する治療のことで、卵管に多数の精子が到達しやすくする一般的な治療法です。どのような方に人工授精を行うかというと、
などを対象として行います。
人工授精は年齢によっても異なりますが、試行回数が4−6回で妊娠率は頭打ちとなるという報告が多く、4−6回行っても妊娠しない方は、体外受精へのstep upをお勧めします。
洗浄後の総運動精子数が人工授精の妊娠率に関係するという報告はあり、推奨される治療の運動精子数の下限は 300万 から 1000万と言われています。しかし、Akhil Muthigiらの報告では総運動精子数が25万でも妊娠率は4.18%あったと報告されています(Fertility and Sterility® Vol. 115, No. 6, June 2021 0015-0282)。なかなか運動精子が集まらない方でも妊娠する可能性はあり、相談して治療方針を決めたいと思います。