一般不妊検査|北くまもと井上産婦人科医院 リプロダクション部門|熊本市北区にある不妊治療専門外来
不妊症とは、避妊をせずに12か月以上の定期的な性交を行っていても妊娠しない状態と定義されています。
te Veldeらによると避妊をやめると、1年で84%のカップルが妊娠し、2年目には残りの49%が妊娠すると報告しています。ただ、3年目になると14%しか妊娠せず不妊期間が長くなると妊娠しにくくなることがわかります。(Lancet. VOLUME 355, ISSUE 9219, P1928-1929, JUNE 03, 2000) クリニックを受診する目安は、2020年のアメリカ生殖医学会(ASRM)によると、病歴や合併症などがない場合、35歳未満の女性では1年、35歳以上の女性では半年妊娠しなければ不妊検査を行い、治療を開始する必要があると述べています。また、40歳以上の女性では、より迅速な不妊検査・治療が必要になります。ただ、月経不順や月経量が多い方など早めに検査・治療が必要な方もいます。
ただ、早めに受診し、妊娠できない原因があるかないかだけでも調べるのも一つです。
不妊症の原因を探るため体に負担の少ない方法で行う必要があります。そのためには、体系的、迅速、かつ費用対効果の高い方法で検査を実施する必要があります。
月経開始日を1日目として月経2日目から5日目に検査を行います。
月経中のホルモン値を測定することで卵巣機能や排卵障害の原因になるような異常がないか調べます。
排卵前、避妊が必要です。
要予約です。
精液を提出していただき、精液の量、精子の濃度、動いている精子の割合、正常の形態をしている精子の割合を調べます。2021年にWHOラボマニュアルが改訂され、精液検査の基準値が変更されました。下の表は、避妊しないで1年以内に自然妊娠したパートナーの精液所見をもとに作られた表です。パートナーが妊娠した男性の下位5%の精液所見になります。平均値ではありません。
精液所見は、変動が大きいため、たまたまその日だけ悪かったという方も沢山います。下の表よりも精液所見が下回っていた場合は再検査し平均値を取り判断いたします。
WHOマニュアル | |
精液量(ml) | 1.4ml以上 |
精子濃度(/ml) | 1600万以上 |
総精子数(個) | 3900万以上 |
運動率(%) | 42.0%以上 |
正常形態率(%) | 4.0%以上 |